インバウンド観光客の5人に1人が「ぼったくり」に遭っている?

Hitomi Kuroda

海外旅行中にぼったくりに遭うことは、多くの旅行者が経験し、避けられないものでもあります。では、外国人観光客が日本を旅行する際、ぼったくり被害は発生しているのでしょうか。

今回は、Tokyo CheapoのWebサイト上でユーザーに「日本でぼったくりだと感じた経験」に関するアンケート調査を実施しました。その結果を発表します。

Q1:日本で「ぼったくり」だと感じたことはありますか?

  • Yes:19.1%
  • No:80.9%

つまり、回答者の 5 人中 4 人以上が「No」と回答し、日本旅行中にぼったくりに遭ったことは一度もないユーザーが大多数を占めていました。

一方で、少なくとも19.1%、つまり約5人に1人が「ぼったくりだと感じたことがある」と回答しているのです。

では、一体どこでどのような不当な行為が起きているのでしょう。さらにユーザーに質問をしました。

Q2:どこで「ぼったくり」が起きましたか?

  • バーやレストラン: 43.0%
  • 宿泊施設: 7.0%
  • 買い物中: 25.0%
  • 観光または移動中: 25.0%

日本食は、外国人の間でもとても人気です。一方で、各地の観光地では「インバウンド価格」といったインバウンド客向けの価格が設定されていることが話題にな.っています。

アンケート調査では、特に飲食店でぼったくり被害が多いことが判明しています。

また、昨年はインバウンド客向けの外食として高価な海鮮丼「インバウン丼」が話題になり、2024年の「新語・流行語大賞」にもノミネートされていました。

「インバウンド丼」という言葉が流行語大賞になってしまうのもいかがなものかと、日本人としては微妙な気持ちになります。

発展途上国では観光客向けの特別価格が設定されることがよくありますが、日本もそのような状況になってしまったのかと思うと、複雑な心境です。

Q3:具体的にどんなことが起きたのですか?

では、どんなことが起きたのか、ユーザーに質問しました。具体的な回答を紹介します。

バーやレストラン

Photo by Alexandra Ziminski

最も具体的な回答が多かったのがバーやレストランなどの飲食店です。

注文していないのに前菜(お通し)を出されて、その料金を払わないといけなかったんです。ちょっと納得できません。
メニューに提示されている金額とお会計のときの金額が違っていました。
特別ではない質が普通の料理を過剰に高い価格で提供していると感じ、割に合わないと思いました。
値段がメニューに書いてない焼き鳥屋で、2人で5~6本の串を頼んだら、結局100オーストラリアドル以上払うことになって驚きました。
初めて日本に来たとき、3人の外国人と一緒にスナックに行きました。そこには「pub」と書いてあったので、いわゆるイギリスにある「パブ」だと思っていました。

3人のうち2人はお酒を飲まなくて、2人はウーロン茶、1人はビールを注文しました。バーの女性はミステリアスで笑顔が素敵な中年の女性でした。料金は10,000円でしたが、彼女が「割引」をしてくれて、1人3,000円になりました。

しかし、それはちょっとぼったくりだったことに後で気づきました。

私が注文したのはソフトドリンクでしたが、そのとき、まだ日本円に慣れていなかったので、値段が高いとは気づかなかったのです。ソフトドリンクの値段にしてはかなり高かったと思います。

食べ物と飲み物の少しニッチな話ではありますが、多くの観光スポットでは酒に対して非常に高い料金を取っているのが見受けられます。

例えば、価格が6〜7倍に価格が設定されているのを見たことがあります。少なくともロンドンではレストランのワインの標準価格は最大でも4倍なので、かなり高いと感じます。

日本でお通しは普通に受け入れられているもので、ぼったくりではありませんが、何も分からない外国人観光客にとっては、「ぼったくり」と感じられてもおかしくはありません。

その他

商品やサービスの記載がないものは、以下の「その他」にまとめています。しかし、それらの意見の中には誤解も見受けられます。

実際の値段より高い値段で請求された。(商品は記載がないため不明)
私は正確な金額を払ったのに、お店の店員さんに「金額が不足している」と誤解されました。ちゃんと払ったことを伝えたら理解してくれましたが、気分を害しました。
タクシードライバーが遠回りして料金が高くなることがよくあります。

タクシードライバーが遠回りしているのは、ぼったくりというよりも、土地勘がなくて道が分からないタクシー運転手もいることが原因かもしれません。

その他にも、アンケートの回答で、「新幹線の追加料金が高い」という意見もありました。

追加料金については、指定席料金、グリーン車料金、特急料金や特別な運賃、予約手数料や発券手数料など、さまざまなケースが考えられます。しかし、回答には具体的に何か記載はありませんでした。

もし特急券であれば、乗車券と特急券があることをよく理解していない外国人観光客は少なくありません。決して「ぼったくり」ではないのですが、よく理解できていないことが原因で、そのような印象を持たれることがあります。

つまり、決して「ぼったくり」ではないのに、誤解を受けている可能性があるのです。

それらの誤解を避けるために、Tokyo Cheapoでは以下の記事で、何が「ぼったくり」で何が「ぼったくり」ではないのか、またどうやってぼったくりを避けるのかを解説し、「買い手側の注意が必要」であることを伝えています。

How To Avoid Getting Ripped off in Japan

外国人が誤解しているケースもありますが、本当のぼったくりも少なからず実際に起きています。

一方で、人によっては「観光に来ているのだし、英語対応など外国人のための特別なサービスを提供しているなら、観光価格で支払うことは問題ない。問題なのは、前もって正確な金額を知らせていないことだ。」という意見もあります。

つまり、事前に知らされていないことに不満を感じている場合もあるのです。

まとめ

アンケート調査の結果から分かることは、日本の慣習をインバウンド客が理解できていなくて、誤解を生んでいるケースが少なくないことです。特に「お通し」や「時価」といった習慣は、日本では一般的でも、海外から旅行で訪れたお客様には理解されづらい場合があります。誤解を避けるためには、事前の説明や適切なコミュニケーションが不可欠です。お店側がしっかりと説明し、インバウンド客が安心できるように配慮することが、双方にとって重要なポイントになるでしょう。

当社が運営する訪日外国人向けWebサイトTokyo CheapoとJapan Cheapoでは、日本を旅行する外国人が直面する問題や課題を解決するための役立つ情報を提供しています。インバウンド観光市場でのビジネスの促進方法について、何かご相談などございましたら、お気軽にお問い合わせください。

注)当社が運営するメディアは、主に英語圏や英語を理解できる外国人のユーザーを対象としており、全てのインバウンド観光客を対象としているわけではないことをご了承ください。

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