英語翻訳は危険?ネイティブライター採用がインバウンド戦略に効果的な理由
外国人観光客を集客する際に、以下のような課題に直面してお悩みではないでしょうか。
- 効果的な集客方法が分からない
- 英語の翻訳者の見つけ方が分からない
- 英語翻訳の質を判断できない
「外国人」とひとことで言っても国籍や言語はさまざまですが、Tokyo Cheapoのユーザーは世界中にいます。
例えば、ユーザー数の国別上位ランキングTOP3は、1位アメリカ、2位オーストラリア、3位シンガポール。その次に続くのがイギリス、カナダ、フィリピン、香港、マレーシア、ドイツ、インドネシアなどです。
現在、日本の外務省が公表している世界の国は196か国(出典1)で、総人口は81億人を超えると言われています。
(出典1:世界の国数|よくある質問集|外務省)
文部科学省によると、英語を公用語または準公用語とする国は54か国(出典2)で、その人口は約21億人。つまり、世界の約1/4の人口ということですが、英語は国際的な共通語でもあるので、英語を話す人口はさらに多くなります。
(出典2:教育課程部会の当面の検討課題に係る現状と課題、主な意見|文部科学省)
そこで、自社の商品やサービスを英語で魅力的に伝え、効果的に集客する方法を紹介します。
もし、英語の翻訳者を探しているのであれば、それは賢い選択とは言えないかもしれません。むしろ、失敗を招く危険があるのです。その理由と具体的な解決法について詳しく解説しますので、ぜひご一読ください。
なぜ外国人観光客の集客に苦戦するのか?
集客に苦戦している原因が商品やサービスそのものの問題である場合は、商品やサービス自体の改善が必要でしょう。
一方で、商品やサービス自体は魅力的で外国人観光客を集客できる見込みがあるにもかかわらず、惜しくも逃してしまっている企業や団体は少なくないのです。
これらの問題の共通点は、いずれも「外国人の視点」に立っていないことが考えられます。
もし、サービスが魅力的なのに集客がうまくいかないのであれば、いくつかの原因が考えられます。例えば、自社の公式ウェブサイトやランディングページ、パンフレットなどの宣伝ツールの英語の翻訳に問題があることです。
具体的には、自動翻訳ツールを使用していて精度が低い、英語を日本語の文法で直訳してしまっている、外国人にとって魅力的なアプローチが欠けていることなどが挙げられます。
精度が低い機械翻訳を使用すると、外国人が不信感を抱く恐れがあります。
また、日本語を直訳した英語は、英語ネイティブにとって意味が通じないことがあります。
つまり、素晴らしい商品やサービスを提供しているにもかかわらず、その魅力が効果的に伝わっていないがために、集客の見込みを逃しがしてしまっている可能性があるのです。
外国人観光客に魅力を伝える最良の方法とは?
外国人観光客に観光地の魅力や商品・サービスを適切に伝える最良の方法は、「英語を母国語とするプロのライターがライティングすること」です。
つまり、日本語から英語への翻訳ではなく、「英語ネイティブのライターを採用し、外国人の視点でアプローチすること」が鍵となります。
日本人の視点で書かれた日本語の文章を英語に翻訳した場合、たとえその英語が正確であったとしても、必ずしも外国人に魅力を感じてもらえるとは限りません。
重要なのは、単に英語ネイティブであることではなく、プロのライターであることです。英語ネイティブだからといって誰でもいいわけではありません。
日本語の公式サイトを作成する際、プロのライターが必要なように英語も同様です。プロによる適切な表現で伝えるべきなのです。
英語翻訳はNG?ネイティブライターがおすすめな理由4つ
英語翻訳が外国人にアプローチする適切な方法でない理由はいくつかありますが、まず文化背景と言語の歴史が違うため、基本的に直訳が難しいことが理由のひとつです。また、なぜ「翻訳者」ではなく英語ネイティブのプロの「ライター」をおすすめするのかは、さらに重要な理由があります。これらを詳しく解説します。
- 辞書で調べた英語翻訳では伝わらない
- 日本語の言葉や表現が英語には存在しない
- 日本語と英語は文章の組み立て方が違う
- ライターは外国人のニーズを理解している
辞書で調べた英語翻訳では伝わらない
商品やサービスを紹介するパンフレットや英語のホームページ、あるいは注意書きにユニークな英語の間違いが見受けられることは少なくありません。
下の写真を見てください。「猫にエサを与えないで下さい。」という日本語が、”Feed the cat please do not give.” と英語で表現されていますが、これでは意味が通じません。
正しくは”Please do not feed the cat.”ですが、誤った表現と正しい表現を比較してみます。
正:Please do not feed the cat.
英語の辞書で調べると、“Feed the cat”は「猫にエサをやる」という意味だと説明されていますし、決して間違いではない正しい英語のフレーズです。
“Please do not give”も正しい英語で、「何かを与えないでください」という意味です。
しかし、この場合は「Feed the cat = 猫にエサをやる」と言っているのに、それとは逆の意味で “Please do not give”と続いています。しかも、この2つの文の間には「.(ピリオド)」がありません。これでは外国人は大困惑です。
それぞれの英語のフレーズは正しくても、使い方と文脈によっては間違った英語になることがあります。
英語の間違いはときに笑いを誘うこともあり、それもご愛嬌とも言えますが、日本語の頭で考えて、辞書で調べた英語で翻訳すると、まるで意味不明になることがあるので注意が必要です。
日本語の言葉や表現が英語には存在しない
例えば、英語には日本語の「よろしくお願いします」や「お世話になっています」という言葉と同じ表現はありません。これらは日本独特の文化や習慣に根ざした言葉の表現です。
同様に、以下は外国には存在しない日本語の言葉の例です。
酒:Sake
温泉:Onsen
神社:Jinja
お神輿:Omikoshi
鳥居:Torii
Ninjaや日本酒のことを指して「酒」と言う場合のSakeは、外国人観光客の間でも広く知られており、日本語のローマ字読みで通じます。
Onsenは英語で”hot spring”ですが、日本を訪れる外国人であれば、Onsenで通じることが少なくありません。
しかし、神社やお神輿はローマ字のJinjaやOmikoshiでは一般的に通じません。神社は”Shinto Shrine”、お神輿は”Portable Shinto Shrine”と説明する必要があります。
鳥居はToriiと言っても、一般的には通じることが少ないでしょう。”Gateway to a shrine”や”The entrance to a sacred shrine”など、いくつかの表現があります。
より完全に理解してもらうためには、英語ではもっと詳細な説明が必要です。例えば、”Torii is a traditional Japanese gate that you find at the entrance of Shinto shrines.”などと説明します。
このように、日本語は文化的な背景に基づいた言葉や表現が多いため、そのまま英語に直訳で翻訳しても伝わらないのです。
日本語と英語は文章の組み立て方が違う
日本語の文章は短い文や飛躍が特徴のひとつです。一方で、英語は異なります。修飾語や文脈が欠けると意味が伝わりにくい場合があります。
歴史的な説明において、日本語では通常、時系列で説明する傾向がありますが、英語では全体像や概要を先に示し、その後に詳細な説明を行うのが一般的です。
英語と日本語の解説スタイルの違いから、英語に翻訳する際には注意が必要です。全体像を理解せずに時系列で説明を始めると、外国人は混乱することがあります。
特に初めて日本に訪れる外国人は、日本の文化や歴史に対する知識が限られていることが多いため、説明には補足となる情報が不可欠です。
外国人観光客に魅力的な解説を提供するために、観光庁から「地域観光資源の英語解説文作成のためのライティング・スタイルマニュアル(日本語)」が提供されているので参考にしてみてください。
ライターは外国人のニーズを理解している
「英語ネイティブの翻訳者なら正確に翻訳できるからいいのでは?」と思うかもしれませんが、ライターは翻訳者と似て非なるスキルを持っていると言えます。
翻訳者ではなく、英語ネイティブのプロのライターを活用する最大のメリットは、外国人の視点で魅力を感じる要素や外国人観光客のニーズを深く理解している点です。
経験豊富な英語ネイティブのライターは、消費者心理を熟知しています。つまり、彼らはまさに「マーケティングのプロ」なのです。
自社の商品やサービスに情熱があることは素晴らしいことですし、とても大切です。その思いを日本語から正確に英語に翻訳してもらえれば満足度は高いでしょう。
しかし、ただ正確に翻訳するだけでは、完全に魅力を伝えきれているとは言えません。なぜなら、外国人消費者のニーズを分析したマーケティングの視点や、大切な要素が欠けている可能性が高いからです。
「伝えたいこと」と「外国人観光客に響くこと」は、必ずしもイコールとは限りません。
例えば、日本企業が国内市場向けに商品やサービスを提供する場合も、消費者のニーズを理解していなければ、望ましい結果が得られない可能性があります。同様に、外国人向けサービスにも当てはまります。
英語ネイティブのマーケティング専門家であるライターは、外国人消費者の視点を理解し、そのニーズに応じた魅力的なコンテンツを提供するスキルと経験値を持っているのです。
【地域別訪日観光客の割合と影響】ライター選びの戦略
上記のグラフは、2023年6月11日〜2024年7月10日の1年間でTokyo(Japan) Cheapoを訪れたユーザー数の国別ランキングTOP10の割合を示すデータですが、実は興味深い事実があります。
世界を北アメリカ、南アメリカ、東アジア、東南アジア、アフリカ、オセアニア、ヨーロッパの7つの地域に分けると、ユーザーのうち北アメリカからの割合はなんと1/3強を占めています。
しかし、全ユーザーのうち最も割合を多く占める地域は、実は東南アジア地域なんです。具体的にはシンガポール、フィリピン、マレーシアなどです。
下記のグラフは、日本政府観光局(JNTO)が2024年6月20日に公開した「国・地域別海外居住者の日本訪問数の調査結果を示していますが、中国・韓国を除けば類似点があることが分かります。
(※グラフの「Nordic Countries」にはヨーロッパ、アメリカ合衆国、オーストラリアなどが含まれています。)
JTB総合研究所も訪日外国人旅行者数の国・地域別の調査結果をJapan-bound Statisticsで公開していますが、東アジアに次いで東南アジア地域の占める割合が多いことを示しています。
英字メディアのユーザーは、必ずしも英語が母国語の人々だけではないこともあることから、それぞれの文化背景に配慮したコンテンツ作りが求められています。
例えば、マレーシアではイスラム教徒が多いので、ハラルフードの紹介などが重要な要素となります。
したがって、ライターを選ぶ際は言語能力だけでなく、ライターの文化的な背景や理解度も重要なポイントになるのです。
英語ネイティブライターを探す方法3つ
英語ネイティブのプロのライターをどう探すのかが次の課題ですが、英語ネイティブのプロのライターを探すおすすめの方法を3つ紹介します。
- ライターが登録する専門サイト
- 英字メディアで活躍中のライターに委託する
LinkedInは、外国人が一般的によく使っているビジネス特化型SNSです。キャリアアップを目指すユーザーのためのプラットフォームで、さまざまな経歴を持つ人が登録しています。
ライターが登録する専門サイト
アメリカ大使館など大使館の公式サイトでは英語の翻訳者を紹介していますが、翻訳者ではなくライターをお探しなら、ライターも登録している専門サイトで探してみるのもひとつの方法です。
例えばSwetというサイトがあります。Swetは翻訳者だけではなく、日本から英語で情報発信する編集者、コピーライターなども登録しているコミュニティサイトです。会員の多くは日本在住です。
Facebookにも翻訳者やライターが集まるグループがあるので、それらから探すのもひとつの方法ではあります。
英字メディアで活躍中のライターに委託する
英語ネイティブのプロのライターを探す方法はいくつかありますが、最も信頼性が高く簡単な方法は、英字メディアで活躍する経験値があるライターを活用することです。
経験値があるライターは、高い文章力とマーケティングの専門知識を持ち合わせており、クオリティの高いコンテンツ制作が期待できます。
英語ネイティブライターを採用するときの注意点3つ
英語ネイティブのライターを採用して仕事するときに3つの注意点があります。
- ライターと社内コミュニケーションを取る
- 情報に漏れが生じる可能性あり
- ライターの質の判断はプロに相談する
ライターと社内コミュニケーションを取る
せっかく英語ネイティブのプロのライターを採用しているのに、英語の情報が更新されていないなど、うまくライターを活用しきれていないケースが見受けられます。
まず大きな問題のひとつは、社内コミュニケーションが十分に取れていないことです。
情報の変更や追加があるときは、コミュニケーションをしっかり取ることが大切です。
情報に漏れが生じる可能性あり
日本語と英語では文章の書き方に違いがあります。読み手側にとって見やすくするために、英語の一般的な形式に合わせてライターが要約することは少なくありません。そうすると、情報に漏れが生じる可能性があります。
ちなみに、Google翻訳の精度は高くなっているので、詳細は日本語サイトから機械翻訳で確認する方が良い場合があります。
あくまでも補足としてですが、日本語サイトからも詳細を確認できるよう、導線を分かりやすくしておきましょう。
ただし、機械翻訳を使用する場合は精度が高いものを選択するようご注意ください。
ライターの質の判断はプロに相談する
ライターの質を見極めるには、自社の独自の視点や商品・サービスへの思い入れに寄り過ぎず、他の要素も考慮することが重要です。
ちなみに、ライターの質の判断は、日本人は当然ながら、たとえ英語ネイティブであっても一般の人では難しいと言えます。
ライターの質を正しく評価する最良の方法は、英語ネイティブであり、さらにマーケティングの専門的な知識と経験があるプロに相談することです。
まとめ
せっかく魅力的な商品やサービスを提供しているのに、英語の翻訳が原因で集客に悩んでいるのはもったいないことです。決して諦めることなく、改善すべきことが何なのかを分析し、問題を解決することで、集客拡大の可能性は期待できます。ぜひ、参考にしてみてください。
当社では、コンテンツライティングのサービスの提供やご相談も承っております。英語ネイティブのライターをお探しの場合は、お気軽にお問い合わせください。