訪日外国人受け入れに自信はある? エデルマン社の調査結果と日本人に必要なこと

Kaori Kitagawa

日本人の6人中1人しか胸を張って宣言できないこととは

世界最大のPR会社であるエデルマンの日本法人のエデルマン・ジャパンが2017年11月21日に発信したプレスリリースによると、「2020年の東京オリンピックに向けて来日するインバウンドの外国人が更に増えることが見込まれる中、日本側の受け入れる体制が整っているかと感じるか」という質問を年齢が16歳から69歳の日本国民700人対して調査したところ、6人中1人しか自信を持って準備が出来ていると宣言することが出来ないという回答結果が出ている。

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日本政府観光局(JNTO)が9月に発信した情報では、日本への訪日観光客の数は2000万人まで登っており、インバウンドツーリズムとしては歴史的に最大の人数に達していることがわかっている。同調査の結果では10月にはその人数は2380万人になっており、東京オリンピックが行われる2020年には4000万人まで伸びることが見込まれている。つまり、今いる約倍以上の外国人が日本に来ることが予測されるのである。どうりで交通、通信、飲食、宿泊、医療、などその他のサービス業でも本当に対応への準備が万全であるのか問われ始められる訳である。

インバウンド観光客への受け入れが整っている東京のライバル都市

そんな中、どの街が一番自信を持って受け入れ態勢が整っていると宣言しているかを都市ごとに調べてみると、ダントツでトップに出てきたのが大阪。思わず、それは根拠の無い自信かもしれないと決めつけそうになったが、そうではなく、大手観光情報サイトの今年の調査でもそのような結果が出ているので事実である。実際に大阪にはインバウンドの観光客がここ数年、相当増えており、昨年だけでも940万人(つまり来日した人の約半数)が大阪も訪れており、来年には1000万人を超えるのではないかと大阪観光客の溝端理事長が言っている。そういえば、最近来日する外国人の友人達も東京ばかりでなく、そして京都ばかりでなく、大阪にも足を伸ばした、と良く耳にするようになったので、より現実味がある内容だ。そんな中、恐らくお金も人権も時間も一番費やしている東京の都民のインバウンド観光客の受け入れ準備への自信はどうかというと、大阪と福岡に抜かれて第3位にランクイン。町中の看板、案内、などが英語や他言語対応になってきていても、あまり住民をうまく巻き込んでいないせいか、政府が行っている準備への評価は低いようだ。

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業界別の準備、個々の準備が生み出す日本進化のチャンス

ただ、業界別に見てみると、インバウンド観光客が来日した場合に接点が増える可能性が高い教育機関、ホスピタリティ業界(飲食やホテル業界)、交通機関、小売業界、そして学生達の意識は高く、国内平均より22%高く、自分たちの準備、整備などを評価していることもわかっている。

政府と住民の温度差をどうしても少し感じるが、実はどちらも相当意識は高まっている上、基本生真面目な日本人の特徴から言うとそれなりの心の準備はできているような気がする。2020年のオリンピック開催が招く大勢の訪日外国人への対応に当たって日本人に必要なのは海外の人とスムーズに接する自信、つまり英語でいうガッツだけがあとは必要なのかもしれない。自信を持って文化と言葉の壁を破ることは、多くの日本人が持つ英語アレルギーを改善し、あらゆる面でグローバルステージに並び、日本が進化するチャンスを作るのではないだろうか。

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